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合唱コンサートで出会った詩三篇

16/12/2012

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 合唱曲を聴きに行くと、かならずいい詩に出会う。
 東京大学コールアカデミー×コーロ・レティツィアの定期演奏会では、こんな詩に出会った。

       「きりん」  天野忠

     あんたが
     見つめているものは
     あんまり高いので
     わたしは
     見つめることができない。
     あんたが
     思いつめていることを
     思いあてることは
     とてもできない。
     けれど
     あの遠い世界と
     だまって
     ただ向かい合って立っている
     あんたの姿は
     あんまり自然なので
     よく判る。
     涙が出るほど
     わかる。


そして、以前「遊声」の演奏会を聴きに行ったときに出会った二篇の名詩。

       「しあわせよカタツムリにのって」    やなせたかし

     しあわせよ
     あんまり早くくるな
     しあわせよ
     あわてるな
     カタツムリにのって
     あくびしながら
     やってこい
     しあわせよ
     カタツムリに乗って
     やってこい

     しあわせが
     きらいなわけじゃないよ
     しあわせに
     あいたいが
     いまはまだ
     つめたい風の中にいよう
     熱い涙を
     こらえていよう

     しあわせよ
     あんまり早くくるな
     しあわせよ
     いそがずに
     カタツムリにのって
     ひるねしながら やってこい
     しあわせよ
     カタツムリにのって
     やってこい


        「うたを うたうとき」   まど・みちお

     うたを うたう とき
     わたしは からだを ぬぎます

     からだを ぬいで
     こころ ひとつに なります

     こころ ひとつに なって
     かるがる とんでいくのです

     うたが いきたい ところへ
     うたよりも はやく  

     そして 
     あとから たどりつく うたを
     やさしく むかえてあげるのです


 東山魁夷の絵と同じで、どんなコメントもよけいになるだろう。
 
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             まりえ
    ありのままの自分を受け入れつつある多文化人間。アートを体内に取りこんではまた創り出す日々を送っている。

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